ETC2.0で高速道路が変わる!ETC2.0解説&新サービス紹介

私達が高速道路を利用する際、ETCは欠かせないシステムです。専用のETCレーンを通過することで、支払時の時間を短縮、そしてETC各種割引といった恩恵を受けられました。
ですが2016年4月より、国土交通省がETCに代わる新しいシステム「ETC2.0」の導入を本格的に開始しました。ETC2.0は確かに、各地で利用されているものの、初めて聞いた方からすると「どんなシステム?」「従来のETCよりメリットはあるの?」等々感じることでしょう。

そんな疑問を解決するため今回は、ETC2.0についての解説からメリット、そして各種助成金からおすすめETC2.0車載器に至るまで幅広く紹介していきます。

ETC2.0とは?

これまで利用していた従来のETCは、高速道路・有料道路を利用した際、ETC車載器・ETCカードを連動させることで自動的に利用料金を精算していました。しかし、ETC2.0は通信機能の性能を大いに向上させ様々なシステムを利用可能にした、画期的なETCです。

それでは、ETC2.0の仕組みを簡単に紹介します。

①:高速道路上に設置されているITSスポット(ETC2.0に対応した通信アンテナを指します)から自動的にETC2.0車載器へ送信されます

②:提供された情報が車載器と連動した、ETC2.0対応のカーナビ・スマートフォンに表示されます

③:もし現在走行中の道路で渋滞が発生していたら、渋滞情報の表示、最適なルートへの案内を開始。

④:また、渋滞が発生した場合、最適なルートへ誘導します


このように、各地に点在するITSスポットの情報をもとに、私達に様々な高速道路状況を教えてくれます。その他にも例えば、ETC2.0を導入することでこれより紹介するシステムを利用できます。

・事故情報、渋滞情報をドライバーへ通知
・一部高速道路区間の料金を割引
・駐車場の利用料金決済、フェリー乗船時の手続き簡素化(一部実施)

・案内するルートを辿れば利用料金を割引にするサービスを実施(予定)
・高速道路でやむなく降り、そして再び高速道路に戻っても料金を同一化する(予定)
・ガソリンスタンドの給油料金、飲食店のドライブスルー決済の自動化(予定)

現在、ETC2.0は様々なサービスの導入を検討しています。しかし、なぜこのようなシステムを導入できるのか?その答えは、ETC2.0で使用される専用通信「DSRC」を導入しているからです。

次の項目ではDSRCについて詳しく解説していきます。

ETC2.0で利用されるDSRCとは?

DSRCとは「Dedicated Short Range Communications」の頭文字からなる名称であり、専用狭域通信のことを指します。この通信は、ETC2.0車載器と高速道路に設置された通信機との双方向通信に特化した電波システムです。そのため、広範囲ではなく狭い範囲のみに対応しているものの、高速且つ大容量の情報を送受信することを可能にしました。

これにより、各高速道路に設置された約1,600箇所のITSスポットから提供されるデータにより、広範囲の道路状況を知ることができます。例えば、高速道路の渋滞情報や事故情報、また事故多発エリアを知らせることや、安全運転支援システムといったサービスまで行えるようになりました。

しかし、それらの情報なら「カーナビ」でいつでも受信できるのでは?という疑問が浮上してきます。ところが、使用するDSRCはカーナビの上を行く通信システムです。

一般的なカーナビで使用されている、道路交友情報通信システムサービスは「VICSビーコン」を活用し情報を収集しドライバーへ伝達します。しかし、VICSビーコンの通信は2.4Ghz帯を利用しているため、山間部に弱く、情報収集範囲も最大200kmまでしかありませんでした。一方、ETC2.0で使用するDSRCは5.8Ghz帯を利用し、自社位置をもとに前方1,000kmの高速道路情報を収集可能です。

もちろん、山間部でも利用できるため従来の通信方法よりも、優位に立っています。そのため、従来の2.4Ghz帯は今後増加することはなく、2022年3月31日には全てのサービスを停止予定です。

ETC2.0の情報収集に不安…プローブ情報を詳しく解説!

「ETC2.0は様々な情報を収集するけど…個人情報まで収集するの?」
リアルタイムの道路情報を取得するためには、各地域から収集される車両情報が肝心です。しかし、人によっては車両情報の他にも、個人情報が収集されるのでは?と不安を覚える方もいます。

結論を先に述べますと、ETCカードに含まれる個人情報を取得することはありません。ETC2.0を経由して送られるデータ(このデータを「プローブ情報」と言います。今後、こちらで表記します)は4つのみです。

・車両情報
・走行位置の履歴
・車両の動きの履歴(急加速・急ブレーキ等の情報も取得されます)
・ETC2.0車載器&ETC2.0対応のカーナビ情報(製造メーカーや製造番号、そして製造年月日等のデータが収集されます)

これらのプローブ情報のみ収集されるため、個人情報が勝手に収集される危険性はありません。

ETC2.0を利用するには?

ETC2.0を利用するためには「ETC2.0車載器」「ETC2.0対応のカーナビ、スマートフォン」そして「ETCカード」が必要です。

従来のETCは料金を精算するだけに活用されましたが、ETC2.0では先に紹介した「DSRC(専用狭域通信)」を取得します。専用の電波システムを導入することで、リアルタイムで道路情報を獲得できるのです。

そのため従来のETC車載器では、DSRCの電波を取得できず、活用することはできません。そして、ETC2.0対応のカーナビ、もしくはスマートフォンがありませんと画面上に詳しい道路状況を表示できませんので、ETC2.0を100%活用することは難しいでしょう。

もしあなたが、ETC2.0を活用したいならETC2.0に対応した車載器、カーナビ、スマートフォン、そしてETCカードを用意しましょう。

※ETC2.0を利用する際、車載器によってETC2.0対応のカーナビ・スマートフォンを必要としない機種もあります。後程、詳しく機種の説明をしていきます。

ETC2.0のメリットとは?

広域情報を取得しやすい

先ほど紹介したように、DSRCという専用通信を利用しているため、従来のカーナビよりも広範囲の情報を取得できます。この特徴によって、目的地に向かう際にどこのルートが渋滞しているか?現在の道路状況は?といった情報を容易に知れます。もし、高速道路を利用して遠出するなら、ETC2.0があなたのお役に立つことでしょう。

一部区間で割引を実施中

ETC最大のメリットといえば「割引制度」にあります。例えば、深夜割引・休日割引といった割引は、ETCを搭載した自動車の特権といえます。もちろん、ETC2.0でも従来の割引制度を利用可能ですが、その他に2017年2月10日現在、圏央道のみ2割引の割引制度を実施中です。もしかしたら今後、圏央道に限らず多くの区間で割引が実施されるかもしれません。

高速道路の危険を事前に察知できる

いつも走っている高速道路も、いつ大きな事故や火災が発生するか分かりません。もし発生すると、大渋滞や最悪の場合、巻き込まれる可能性もあります。しかし、ETC2.0であれば高速道路の危険を事前に察知できます。広域情報の取得は渋滞に限らず、高速道路で発生した事故も取得します。情報さえ入手できれば、事前に高速道路から退避し、渋滞や二次災害に巻き込まれる危険性がなくなるのです。

今後実施されるサービスに期待できる

現在、ETC2.0は新しいサービスを続々と展開しようと予定しています。重複となりますが、例えばETC2.0に従ってルートを進めば割引。また、ガソリンスタンド・ドライブスルーの決済まで幅広く検討している状況です。

本格的にETC2.0が開始されたのが2016年4月のため、今後、ますますサービスを拡大することでしょう。今後実施されるサービスに期待できるのも、メリットの1つといえます。

今後導入予定のサービスも見逃せない!

一時退出及び再進入の料金を同一化

今後導入予定のサービスの1つとして、初めに紹介するのが「一時退出」「再進入」の料金を同一化することです。高速道路は日々、何が起きるか分かりません。
いつもならスムーズに進める高速道路も、大規模な事故や火災によって通行不可能。また、目的地までのガソリンを給油しなかったため、高速道路走行中に給油が必要になることもあります。

その場合は一度、高速道路から退出し再び高速道路へ入る必要がありました。しかし、この方法ですと退出した後、再び高速道路に乗れば新たな走行と判断されます。したがって、普段走行している高速道路料金よりも高額になるのです。

ですが、今後、何らかの事情により一時退出し、その後に高速道路へ再進入しても料金を同一化しようと計画しています。このシステムが導入されれば、高額な高速道路料金が請求されず、より高速道路を利用しやすくなります。未だ、導入されていないシステムですが、今後の動きに期待しましょう。

渋滞を避けたルートを通過することで受けられる割引制度

ETC2.0が持つ特徴を大いに利用し、新たな割引制度を設立する動きが見られます。その割引制度は、渋滞を避けたルートを通ることで受けられる割引制度です。

最大1000kmにも及ぶ広域情報を持っているため、様々な高速道路の情報や環状道路の情報を収集できます。これにより、ETC2.0は渋滞が発生していない、または空いている道路を察知することができるのです。もし、この制度が導入されれば、ETC2.0が指したルートを通ることで利用料金割引の恩恵を受けられます。

経路情報を活用した商業利用

ETC2.0を用いて収集される経路情報は、一般車両に限らず企業の管理システムにも今後、大きく活躍してくれることでしょう。中でも「車両管理システム」が挙げられます。

例えば、営業所の所長Aさんがいたと仮定します。Aさんは営業マンを管理する立場であり、ここ最近、営業所の成績が下がっているため営業マンがサボっているのでは?と感じています。しかし、管理システムを導入しようにも多額の費用がかかるため二の足を踏んでいました。ところが、車両管理システムが導入されることにより、既にETC2.0車載器に変更していた営業車全ての情報を収集することができます。

これにより、営業マンが利用している車両がどこにあるか?確認することで、営業マンがサボっているかどうかを把握可能にしました。

この他にも物流業界でも今後、活躍が期待されます。経路情報により、逐一、物流トラックの情報が物流企業に届き現在、荷物がどこにあるのか?また運転内容は荒いか丁寧か?等も把握。もしETC2.0がより進歩すれば、物流企業のみならず、インターネット・テレビ通販等で購入した荷物がリアルタイムでどこに配送されているかも確認できるでしょう。

今のところ、計画段階ですが、今後発展を続ければ、商業利用として大いに役立つことでしょう。

民間サービスとの連携拡大

ETC2.0は発展を続け、今では民間サービスとの連携を拡大しています。例えば身近なところですと、有料駐車場での決済が挙げられます。

有料駐車場では利用料金を決済する際、一度自動車を止め、駐車券の受け取り・駐車料金の支払いが必要でした。しかし、ETC2.0と連動した駐車場であれば、通過するだけで駐車情報の取得、そして駐車料金の支払いを可能にしたのです。

この自動料金の決済システムは、フェリー乗船の際にも利用されており、乗船作業の簡素化に繋がりました。また、料金の決済のみならず、ETC2.0に対応したマンションであれば、既に車両情報が登録されているため、登録外の車両の侵入を防げるのです。

この他にも将来、いくつかの民間サービスとの連携を検討しています。その中の一部は下記に紹介するサービスです。

・ガソリンスタンドで支払う給油料金の自動決済
・飲食店等のドライブスルーで支払う料金の自動決済
・ディーラーの顧客管理(車両情報を管理できるため、来店したお客様の速やかな対応。そしてお得意様への特別対応にも利用できます)

上記以外にも、様々な民間サービスとの連携が計画中のため、今後どうなるか期待して待ちましょう。

ETCレーンのゲートを撤去予定

私達が高速道路のETCレーンを利用する際、必ず、時速20km以下に速度を落としてETCレーンのゲートが開くまで待つ必要がありました。これにより、ETCレーンをスムーズに進むことができず渋滞の原因、またはETCゲートの接触事故が発生します。しかし、ETC2.0が全体に広まっていけば、ETCレーンのゲートを撤去する計画が浮上しています。

もしETCレーンのゲートが撤去されれば、速度を落とすことなくETCレーンを進めますので入口~出口での渋滞を緩和。そして、ETCゲートへの接触事故や、何らかの不具合でETCゲートが開かない時に発生する追突事故も防げるのです。

とはいえ、上記のメリットだけでなくいくつか問題点も浮上しているのも事実です。例えば、これまで減速することでETCゲートを通過していたため、ETCゲートの出口から高速道路の車線に合流する時、スムーズに行われていました。しかし、もしゲートが撤去されれば、減速せず通過できるため運転に慣れていませんと合流の際に、事故を起こす危険性があります。また、不正通行される可能性も孕んでいるのです。

上記以外にも問題点はあるものの、問題点を解消し実施されれば、渋滞緩和や事故を減らすことができるでしょう。