法人クレジットカードの審査基準は個人のカードよりも厳しいと言われています。
個人用のクレジットカードの場合は、本人の信用情報が審査に大きく影響します。
一方、法人クレジットカードでは法人としての実績とともに、法人事業者の信用情報の2点が審査の対象となります。
特に法人の実績という点において、起業して間もない事業者や個人事業主の場合、
「門前払いとなるのでは?」
「審査に通らないのでは?」
と危惧されるのではないかと思われます。
そのことから「法人クレジットカードの作成はハードルが高い」というイメージにつながっているのかもしれません。
ここでは、法人クレジットカードの審査に通過するコツと、個人事業主にもおすすめのカードを6つ紹介します。
個人事業主では通らない?法人クレジットカードの審査基準とは
法人クレジットカードの審査基準とされているものには、次のようなものがあります。
開業期間3年以上
法人クレジットカードの審査基準のひとつに、開業してから3年以上が経過していることがあります。
これは、起業後3年以内に倒産する法人が比較的多いことから、カード会社としては、貸し倒れを防ぐために設けているのではないか?という理由からです。
ただし3年というのは、あくまでもひとつの目安であり、起業して1年目に法人クレジットカードの審査に通る事業者も少なくありません。
もちろん開業期間が長ければ長いほど、審査時の印象は良くなるとは思われますが、必ずしもそれだけで決まる訳ではありません。
2期連続の黒字決算
法人クレジットカードの審査基準として、「2期連続の黒字決算」という点もあります。
これはスポーツ選手の「2年目のジンクス」のように、1年目は良い成績だったとしても、2年目からは下降傾向になることが考えられるためです。
こちらも、貸し倒れのリスクを踏まえた上での審査基準と言えるでしょう。
個人事業主の場合には、財務状況の証明として、確定申告書の控えや納税証明書を提出すると、印象が良くなる可能性があります。
固定電話番号の記述
法人クレジットカードの審査に必須という訳ではありませんが、カード会社の中には、固定電話の番号の記述が求められるケースがあります。
携帯電話番号だけでは、「実体のない法人なのではないか?」「違法な事業を営んでいるのでは?」という疑いが持たれてしまうためです。
そのため、クレジットカードが悪用される危険性があると判断されることもあるようです。
特に個人事業主の場合には、固定電話(IP電話も可)の番号を記しておいた方が、審査に通過する確率が高まると言われています。
法人(企業)のホームページ
法人(企業)のホームページは、法人クレジットカードの審査の際に、「きちんと営業している法人です」
「架空の法人ではありません」
と、証明するためのツールです。
会社の所在地や連絡先や事業内容などの「会社概要」や、「これまでの実績」などが明記されていれば、凝ったものでなくても問題ありません。
顧客からの「お問い合わせフォーム」もあると良いでしょう。
特に個人事業主や起業して間もない事業者の場合には、ホームページの有無が、法人クレジットカードの審査に影響する可能性があります。
法人代表者(個人事業主)の信用情報
法人クレジットカードの審査の中でも重要視されるのが、法人代表者の信用情報です。
特に個人事業主や、起業1年以内の事業者にとって、法人クレジットカード発行のためのポイントとなります。
とはいえ、長期の滞納や多くの借入額がなく、支払いをきちんとしている事業者であれば、まったく問題ありません。
目安としては、限度枠の50%程度の利用で、なおかつ滞りなく引き落としがされていれば、比較的審査に通過しやすいのではないかと思われます。
法人クレジットカードは赤字経営では審査に通らない?
前述したように、法人クレジットカードの審査に通りやすい条件として、「2期連続の黒字経営」がありますが、赤字経営だからといって、決して審査に通過しないとは限りません。
法人クレジットカードの審査では、法人事業者個人の信用情報も加味されることと、業種や開業期間などによって、は赤字経営でも認められるケースも考えられるためです。
そのことから、仮に赤字経営であったとしても、法人事業者または個人事業主の信用情報が良好であれば、法人クレジットカードの発行が認められる可能性があると言えるでしょう。
法人クレジットカードの審査に落ちないための3つのポイント
法人クレジットカードの審査に落ちないための3つのポイントとして、以下のようなものがあります。
必要書類を準備する
法人クレジットカードの審査に必要な書類には、カード会社ごとに違いがあるかもしれませんが、おおむね次のようなものを準備しておけば良いでしょう。
・取得してから6ヶ月以内の登記簿謄本(登記事項証明書)
・運転免許証などの本人確認書類
・法人名義の口座がわかるもの(預貯金通帳など)
その他に、財務諸表や不動産登記簿謄本(登記事項証明書)が求められるケースがあります。
個人事業主の場合には、確定申告書の控えや納税証明書、屋号の名前がわかる預金通帳や名刺があると、審査での好印象につながります。
固定電話番号とホームページ
法人クレジットカードの中には、携帯電話番号だけでも審査に通過するものもあるようですが、固定電話番号があった方が、より一層通過しやすくなる傾向があると言われています。
ホームページに関しても同様です。
どちらも実体のある事業を営んでいるという証明になるためです。
クレジットヒストリーを良好なものにする
法人事業者または個人事業主のクレジットヒストリー(クレヒス)を良好なものにするためには、支払いの滞納をしないことはもちろんのこと、他社からの借り入れが少ないことや、一定期間のクレジットカードの利用履歴があることがポイントとなります。
利用限度額のうち、10%以下の利用の場合、「あまりカード使われないのでは?」と判断されるかもしれません。
一方で80%~90%以上の利用の場合には、貸し倒れのリスクが警戒される可能性があります。
そのため、50%前後の利用がカード会社として望ましいようです。
審査は甘いのかな?通るのかな?などと心配する前に!まず初めに申し込むべきおすすめカードランキング
ここからは、法人クレジットカードの中でも、最初の1枚としてふさわしいカードを6つ紹介していきます。
比較的審査に通りやすいと言われているカードのため、すでに法人として実績のある事業者はもちろんのこと、個人事業主や起業したばかりの事業者にもおすすめです。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
「三井住友カード ビジネスオーナーズ」は、法人事業者や個人事業主向けの法人クレジットカードです。
年会費は永年無料で利用することができます。
ポイント還元率は0.5%ですが、インターネットショッピングの際に、「ポイントアップモール」を経由することで、ポイント還元率が+0.5%~9.5%になるチャンスも。
※2024年6月現在
※ポイント還元率は予告なく変更となる場合がございます。
従業員用カードも19枚まで無料で発行できます。
P-one Bisiness MasterCard
「P-one Bisiness MasterCard」は、初年度の年会費が無料の法人クレジットカードです。
2年目以降は2,200円の年会費に設定されていますが、法人代表者または個人事業主のカードに限り、前年度に1回以上の利用が確認されることで、翌年の年会費が無料となるメリットがあります。
「P-one Bisiness MasterCard」のポイント還元率は0.5%ですが、リボ払いや分割払いの利用によって、還元率1%に上昇します。
オンラインショッピングモールの「POCKET MALL(ポケットモール)」を経由することで、最大で30倍(15%)のポイントが付与される可能性があります。
「P-one Bisiness MasterCard」は、従業員用として、最大で5枚まで年会費無料にて発行できます。
JCB法人カード 一般
「JCB法人カード 一般」は、1年目の年会費が無料となっている、法人事業者や個人事業主向けのクレジットカードです。2年目からは年会費1,375円ですが、従業員用のカードを追加した際にも、1年目の年会費が無料、2年目以降の年会費は1,375円で利用可能です。
「JCB法人カード 一般」のポイントである、「Oki Dokiポイント」の基本還元率は0.5%です。ただし、提携先を積極的に利用することで、ポイントを効率よく貯めることができます。
例えば、セブン‐イレブンや小田急百貨店では3倍(1.5%)、スターバックスでは10倍(5%)のポイントが還元されるようになっています。
しかも年間で100万円以上の利用によって、翌年のポイント還元率が50%上昇の0.75%になるチャンスも提供されています。
JCB法人カード キャンペーン情報
インターネット限定新規入会キャンペーン
新規入会&利用で最大50,000円分のJCBギフトカードプレゼント!
期間:2023年10月1日~2024年3月31日申込み分まで
【1】カード入会翌々月末までに10万円(税込)以上の利用で、JCBギフトカード10,000円分、ゴールド法人なら15,000円分、プラチナ法人なら20,000円分プレゼント!
【2】カード入会12ヵ月後末までに一定金額以上の利用で、JCBギフトカード20,000円分、ゴールド法人なら35,000円分、プラチナ法人なら50,000円分プレゼント!
ライフカードビジネスライトプラス
「ライフカードビジネスライトプラス」は、法人クレジットカードの中でも数少ない年会費無料のカードです。
2年目以降も無料のため、あまりコストをかけずに、法人クレジットカードを持ちたい法人事業者や個人事業主におすすめのクレジットカードと言えるでしょう。
「ライフカードビジネスライトプラス」の国際ブランドは、MasterCardとVISAの2種類から選ぶことができます。
MasterCardを選択した場合には、「MasterCardビジネス・アシスト」、VISAを選んだ場合なら、「VISAビジネスオファー」と、それぞれ実際のビジネスに役立つサポートが得られるメリットがあります。
ETCカードも無料で発行可能なため、高速道路を利用する機会の多い事業者にも向いています。
ANAカード(法人用)一般
「ANAカード(法人用)一般」は、初年度の年会費が無料の法人クレジットカードです。
JCBを選択した場合には2年目からの年会費が2,275円、VISAおよびMasterCardの場合の2年目からの年会費は、2,825円となっています。
基本的には、「ANA@desk」にて予約や購入をした航空券に対してマイルが付与されます。
その他にボーナスマイルとして、「ANAカード(法人用)一般」の入会時および更新時には、1000マイルがプレゼントされます。
ボーナスマイルは搭乗時にもついてきますので、ビジネスシーンでANAを利用しているだけで、知らず知らずのうちにマイルが貯まっていくシステムということです。
そのため、飛行機の移動が多い、法人事業者や個人事業主におすすめのカードとも言えます。
ライフカードビジネスライトプラスゴールド
「ライフカードビジネスライトプラスゴールド」は、法人事業者はもちろんのこと、創業して間もないスタートアップ企業や個人事業主の方にもおすすめのビジネスカードです。
年会費2,200円と言う、ゴールドカードの中でも圧倒的パフォーマンスを誇りますが、特典や優待はビジネスシーンで活躍するものばかりです。
例えば…
1.ビジネスシーンで活躍する「VISAビジネスオファー」「VISAビジネスグルメオファー」MasterCardを選択すると「Mastercardビジネス・アシスト」が使えます。
2.ライフカードビジネスライトプラスの特典もそのまま利用できます。
3.国内主要空港の空港ラウンジが利用可能。更に最高2,000万円の海外旅行傷害保険、最高1,000万円の国内旅行傷害保険を用意。
その他にも、ライフカードビジネスライトプラスでは貯まらなかったポイントが貯まりますので、年会費の2,200円をポイント(還元率0.5%)で賄うことも充分可能です。
もちろん、上記以外にもライフカードビジネスライトプラスゴールドは多数の特典を用意していますので年会費がかからず、なおかつビジネスシーンで活躍する機能や各種保険を充実させたい。
または、申込する際の審査書類が「本人確認書類」のみ提出すれば良いので、ビジネスカードを発行したいスタートアップ企業や個人事業主の方におすすめです。
おわりに
法人クレジットカードの審査は個人用のカードと比べて厳しくなっていますが、必要な書類をきちんと準備し、法人代表者や個人事業主のクレジットヒストリーを良好なものとすることで、審査に通過しやすい状況を作ることが可能です。
法人クレジットカードを作る際には、ここで紹介したおすすめの6つのカードを参考にしてみてください。