【弁護士、行政書士、司法書士、弁理士、会計士、社会保険労務士、公認会計士、税理士、建築士、土地家屋調査士、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー、コンサルタント】
「クレジットカードは会社員のうちに作っておいた方が良い」という説があります。
特に会社を退職してから、自営業や自由業に就いた人たちから聞く機会があるかもしれません。
弁護士や行政書士などの士業(さむらいぎょう)と呼ばれる職種も、専門職なのか?自営業なのか?カード会社ごとに扱いが異なる可能性も0%ではないでしょう。
今回は、クレジットカード作成に対して不安を抱いている士業や個人事業主に絞ったおすすめのカードや、審査に通過するための方法や、利用可能なサービスなどを、詳しく解説していきます。
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士業がクレジットカードを持つ5つのメリット
士業がクレジットカードを持つ5つのメリットは以下の通りです。
①事務所の経費とプライベートの分別
②事務所経費の流れがつかみやすい
③突然の出費に対応しやすい
④支払いまでの猶予ができる
⑤ポイントが還元される
①事務所の経費とプライベートの分別
弁護士や税理士などの士業は、開業=事務所設立が一般的です。
その際、プライベートで使ったお金と、事務所の経費として使ったお金をきちんと分けることが重要となります。
プライベート用に所持しているクレジットカードの他に、個人事業主用のビジネスカードを持つことで、分別しやすくなるメリットがあります。
②事務所経費の流れがつかみやすい
士業が個人事業主向けのビジネスカードを経費の精算に利用することで、お金の流れがつかみやすくなります。
カード会社から月々発行される明細書にて、「いつ」「どこで」「何に対して」「いくら使ったのか?」を容易に確認できるためです。
しかも毎年行う確定申告にて、経費を証明する資料として大いに役立つメリットもあります。
③突然の出費に対応しやすい
ビジネスカードなどの法人クレジットカードは、個人向けのカードと比べて、利用限度額が高額に設定されているものがほとんどです。
士業などの事業では、突然の出費も十二分に考えられます。
その時に「クレジットカードがあれば…」とならないためにも、ビジネスカードを持つことをご検討ください。
④支払いまでの猶予ができる
士業の事業経費をクレジットカード払いにすることで、実際の支払いまでの時間差が生じます。
カードで支払った経費が、金融機関の口座から引き落とされるのは、1ヶ月から1ヶ月半後となるためです。
その間に支払い用の現金を準備することもできますし、いざという時の現金を口座に残しておくことも可能となります。
⑤ポイントが還元される
士業の事業主がクレジットカードで経費を精算することで、金額に応じたポイントが還元されます。
年間で200万円利用の場合、ポイント還元率0.5%で1万円、1%で2万円分のポイントを受け取ることが可能です。
ポイントは消耗品などの購入に利用できる他、マイルやギフトカードなどと交換することができるようになっています。
クレジットカードで還元されたポイントは、「事業所得の雑収入」に計上するとスムーズです。
士業がクレジットカード審査を通るための5つのチェックポイント
社会保険労務士や中小企業診断士などの士業がクレジットカードの審査を通過するためには、次の5つのチェックポイントを確認しましょう。
①士業開業の時期
②収入証明書類
③事務所の固定電話の番号
④開業届の提出
⑤良好なクレジットヒストリー
①士業開業の時期
士業を開業してからの時期は、クレジットカードの審査に影響します。
長く士業を営んでいることが証明された方が審査を有利に進められるでしょう。
大まかな基準として、「開業から3年以上、2期以上連続の黒字決算」というものがあります。
とはいえ、カード会社やカードの種類によっては、設立間もない時期であっても、問題なく発行できるケースも少なくありません。
特に士業などの個人事業主の場合、個人の信用情報が重視される傾向があるためです。
②収入証明書類
士業は個人事業主として扱われます。
会社員のように企業に勤めている場合と異なり、給与明細が発行されません。
そのため、クレジットカードの審査時には、収入証明書類を準備する必要があります。
収入証明書類となるものには、確定申告書B(控えです)や納税証明書があります。
他にも屋号名を証明するものとして、事務所のホームページのURLや名刺、金融機関の預金通帳も用意できると良いでしょう。
③事務所の固定電話の番号
士業の事務所を自宅と兼用にしている人もいるかもしれません。
自営業や自由業者がクレジットカードを作成する際にカード会社がチェックするポイントとして、固定電話の番号の有無があります。
カード会社によっては、固定電話番号の記入を必須としているところもあるほどです。
そのため、士業の方がビジネスカードを新規で申し込む場合には、事務所の固定電話番号を準備しておきましょう。
050から始まるIP電話でも問題ありません。
④開業届の提出
社会保険労務士や土地家屋調査士などの士業の開業時には、最寄りの税務署に、必ず開業届を提出するようにしてください。
開業届の提出は、個人事業主として社会的な信用度を高めるメリットもあります。
クレジットカードの審査にも良い影響を与えてくれるでしょう。
⑤良好なクレジットヒストリー
前述したように、士業などの個人事業主のクレジットカードの審査では、個人でのクレジットヒストリーが良好であることが大切です。
適度にカードが利用されており、きちんと支払日を守っているようなら、審査に通過する可能性が高まります。
士業の方におすすめ!業務に役立つビジネスカードの便利なサービス
ここからは、建築士などの士業の方におすすめの、業務に役立つビジネスカードの便利なサービスを、三井住友ビジネスカードを例に紹介していきます。
ETCカード(法人用)
高速道路を利用する機会の多い士業の方におすすめです。
三井住友ビジネスカードの所有者は、初年度年会費無料にて発行できます。
2年目以降は、前年度に最低1回、ETCの利用が確認された場合、翌年の年会費が無料となります。
ETCカードの利用で、高速道路の料金所にてその都度料金を支払う手間がかかりません。
ETCマイレージサービスに登録することで、通行料金の割引を受けたり、マイレージポイントが貯まります。
貯まったマイレージポイントは、高速道路の通行料金に充てることも可能です。
ビジネス用じゃらんnetホテル予約
三井住友カードとリクルート社の「じゃらんnet」が連携した、日本国内のビジネス用ホテルの予約サービスです。
ビジネス用だけでなく、「じゃらんnet」が提供している国内旅行の宿泊プランにも使用することができます。
こちらも出張の多い士業の事業主におすすめのサービスです。
JR東海エクスプレス予約サービス
出張で東京から東海道新幹線および、山陽新幹線を利用する機会の多い士業の方におすすめのサービスです。
年間を通して同じ料金で乗車することができます。
年末年始やゴールデンウイークも同様です。プラスEX会員として、年会費1,100円がかかります。
予約はパソコンやスマートフォンから、乗車する日の1ヶ月前の10時から簡単にできます。
プラスEXカードが新幹線のチケット代わりになるため、券売機を利用する必要がありません。
家族との帰省や旅行にも利用可能です。割引の分、お弁当代やお土産代に充てることもできるでしょう。
通常期の「のぞみ」大人片道1名分の乗車料金と、比較したものを表にまとめました。
利用区間 | 普通車・指定席料金 | グリーン車料金 |
---|---|---|
東京・品川~名古屋 | 10,110円(980円オフ) | 13,700円(980円オフ) |
東京・品川~新大阪 | 13,370円(1,080円オフ) | 18,140円(1,090円オフ) |
東京・品川~広島 | 17,660円(1,420円オフ) | 24,140円(2,070円オフ) |
国内旅行傷害保険
日本国内での旅行や出張時での負傷が対象となります。
ゴールド(補償額) | プラチナ(補償額) | |
---|---|---|
傷害死亡および後遺障害 | 最大5000万円 | 最大1億円 |
入院保険金(1日あたり) | 5,000円 | 5,000円 |
通院保険金(1日あたり) | 2,000円 | 2,000円 |
手術に関する費用 | 最大20万円 | 最大20万円 |
※クラシックカードには適用されません
海外旅行傷害保険
海外旅行時に起きた病気や怪我などに対して補償が受けられる保険です。
自動付帯と利用付帯があります。利用付帯の場合には、旅行中の交通費や宿泊費などをクレジットカード決済することが、保険適用の条件となります。
クラシック(補償額) | ゴールド(補償額) | プラチナ(補償額) | |
---|---|---|---|
傷害死亡および後遺障害 | 最大2000万円 (利用付帯・最大2000万円) |
最大5000万円 (自動付帯・最大1000万円、利用付帯4000万円) |
最大1億円 (自動付帯・最大1億円) |
傷害治療費用(限度額) | 50万円(利用付帯) | 300万円(自動付帯) | 500万円(自動付帯) |
疾病治療費用(限度額) | 50万円(利用付帯) | 300万円(自動付帯) | 500万円(自動付帯) |
賠償責任(限度額) | 2000万円(利用付帯) | 5000万円(自動付帯) | 1億円(自動付帯) |
携行品の損害(年間限度額・自己負担3,000円) | 15万円(利用付帯) | 50万円(自動付帯) | 100万円(自動付帯) |
救援者費用(年間限度額) | 100万円(利用付帯) | 500万円(自動付帯) | 1000万円(自動付帯) |
福利厚生サービス
日本国内および海外のホテルや飲食店、英会話スクールやスポーツクラブなどを、会員割引料金にて優待が受けられるサービスです。
利用者1名につき月会費352円がかかりますが、損金として計上可能です。
士業の方におすすめのビジネスカード2選
ここからは、行政書士や公認会計士などの士業の方におすすめのビジネスカードを、2つ選んで紹介します。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズは、士業などの個人事業主や法人向けのクレジットカードです。
新規申し込みの際、決算書や登記簿謄本の提出をしなくても問題ありません。
三井住友カード ビジネスオーナーズは、一般とゴールドとプラチナ(三井住友ビジネスプラチナカード for Owners)の3種類から選ぶことができるようになっています。
提携ブランドはVisaもしくはMastercard®です。
ポイント還元率は0.5%ですが、提携店の「ココイコ!」や、ネットショッピングモールの「ポイントUPモール」の利用で+0.5%~9.5%のポイントを受け取るチャンスがあります。
※2024年12月現在
※ポイント還元率は予告なく変更となる場合がございます。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズは、年会費永年無料!
まず最初に持ちやすいカードです。最大で2000万円までが補償される海外旅行傷害保険(利用付帯)が用意されています。
三井住友カード ビジネスオーナーズゴールド
三井住友カード ビジネスオーナーズゴールドは、年会費5,500円で持てるビジネスカードです。
カードのショッピング枠は審査状況に応じて決まる仕組みです。
羽田空港や成田国際空港など、国内の主要空港の空港ラウンジサービスが無料で利用可能です。
最大で2000万円の補償となる海外および国内の旅行傷害保険(利用付帯)や、年間で300万円までのショッピング補償(国内・海外)がセットとなっています。
三井住友ビジネスプラチナカード for Owners
三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersは、年会費55,000円で発行できるクレジットカードです。
カードのショッピング枠は200万円~で決定されます。
関西国際空港などの空港ラウンジサービスが無料で使える他、世界中の専用空港ラウンジが無料で利用可能な、プライオリティ・パスを無料で持つことができます。
※プライオリティ・パスのプレステージ会員の年会費は399USドルです
他にもプラチナ会員ならではのコンシェルジュサービスや、プラチナグルメクーポン、プラチナホテルズなどの特典が提供されるのも特徴です。
最大1億円補償の国内と海外の旅行傷害保険(自動付帯)や、年間500万円までのショッピング補償(海外・国内)も受けられます。
EX Gold for Biz S(エグゼクティブ ゴールドフォービズ エス)
EX Gold for Biz S(エグゼクティブ ゴールドフォービズ エス) は、初年度年会費無料で発行できるビジネスカードです。
2年目以降の年会費は2,200円で、提携ブランドはVISAまたはMasterCardから選択できます。
ポイント還元率はゴールドビジネスカードのため、通常の20%アップの0.6%です。
しかも年間の利用金額によっては、ポイント還元率が2倍(1.2%)まで上昇するチャンスが設けられています。
※年間で200万円以上の利用の場合です
コンタクトレス決済で、会計ソフトの「freee(フリー)」が、2ヶ月分無料で利用可能です。
それから選択した提携ブランドによって、MasterCardビジネス・アシストまたは、VISAビジネスオファーがもれなく付帯されます。
空港ラウンジも付帯になりました。
(仁川国際空港・ダニエル・K・イノウエ国際空港・成田国際空港・羽田空港・新千歳空港・秋田空港・仙台空港・新潟空港・中部国際空港・関西空港・那覇空港・大阪国際空港・高松空港・松山空港・福岡空港・熊本空港・大分空港・鹿児島空港・富士山静岡空港・岡山桃太郎空港・長崎空港)
他にも最大2,000万円まで補償される海外および国内の旅行傷害保険や、年間最大100万円まで補償のショッピングガード保険が用意されています。
年会費無料でETCカードも作成可能です。
審査に通過する自信がない、または通らなかった方のためにおすすめのビジネスカード
行政書士や社会保険労務士などの士業の事業主の中には、クレジットカードの審査に通過する自信がない方や、審査に通らなかった方がいるかもしれません。
ここでは、そんな士業の方にもおすすめのビジネスカードとして、ライフカードビジネス(スタンダード)を紹介します。
ライフカードビジネス(スタンダード)
ライフカードビジネス(スタンダード)は、年会費永年無料で持つことができるビジネスカードです。
提携ブランドは。VISAとMasterCardとJCBの3種類から選択することができます。
士業などの個人事業主の場合、希望限度額によって提出書類が異なります。
例えば限度額100万円以下の場合には、事業主の本人確認資料のみです。
限度額が100万円を超える際には、事業主の本人確認資料と2期分の確定申告書の提出が必要となります。
提携ブランドにVISAを選んだ場合には、「VISAビジネスオファー」、MasterCardを選択した場合には、「MasterCardビジネス・アシスト」を使うことができます。
他にもクラウド会計ソフト「freee(フリー)」を無料で1ヶ月分延長可能です。
弁護士無料相談サービスや、福利厚生サービスの「ベネフィット・ワン」も利用できます。
ETCカードも無料で作成可能です。
まとめ
弁護士や社会保険労務士、税理士や行政書士などの士業におすすめのビジネスカードとして、「三井住友ビジネスカード for Owners」と、「オリコ・エグゼクティブ・ゴールドフォービズ エス アイディ クイックペイ」、「ライフカードビジネス(スタンダード)」の3つを紹介しました。
士業の方がビジネスカードを持つことで、経費の流れを把握しやすくなり、毎年の確定申告が容易になるメリットがあります。今回おすすめした3つのビジネスカードが、カードを新たに作る際の参考になれば幸いです。